古に恋ふらむ鳥は・・(弓削皇子・額田王)

万葉集 巻2ー111 弓削皇子 

【原文】

  幸于吉野宮時、弓削皇子贈与額田王歌

  古尓 戀流鳥鴨 弓絃葉乃 

  三井能上従 鳴済遊久

 

【読み下し文】

  吉野の宮に幸(いでま)しし時に、弓削皇子の額田王に贈り与へたる歌   

  古に 恋ふる鳥かも 弓絃葉の 御井の上より 鳴き渡り行く

 

【揮毫者】

  金本朝一

 

【歌の意味】

  あの鳥は天武天皇ありし昔を恋焦がれている鳥であろうか

  ゆずるはの御井の上を鳴きわたっていくことだ。

 

 

 

  万葉集 巻2ー112 額田王 

【原文】

  額田王奉 和歌一首    

  古尓 戀良武鳥者 霍公鳥 盖哉鳴之 吾念流碁騰

 

【読み下し文】

  額田王の和へ奉れる歌一首

  古に 恋ふらむ鳥は霍公鳥 けだしや鳴きし 吾が念へる如

 

【揮毫者】

  金本朝一

 

【歌の意味】

昔を恋焦がれているという鳥はホトトギスであろう。

おそらく鳴いたことでしょう。私が思い焦がれたように