夕されば小倉の山に・・・(雄略天皇)

万葉集 巻9-1664 大泊瀬幼武(雄略)天皇

 

【原文】

  泊瀬朝倉宮御宇大泊瀬幼武天皇 御製歌一首

  暮去者 小椋山尓 臥鹿之 今夜者不鳴 寐家良霜

 

【読み下し文】

  ゆうされば おぐらのやまに ふすしかの

  こよいはなかず いねにけらしも

 

【揮毫者】

  平沢 興(元京都大学総長)

 

【歌の意味】

  夕方になると、いつも小倉の山で寝る鹿は今夜は鳴かない。

  してみる  と多分もう寝入ったらしい。

             (出典)桜井市観光協会 「記紀万葉歌碑」より 

 

 

小倉の山は桜井市の今井谷付近や忍坂山、倉橋山等、諸説があって定かではありませんがこの歌碑は忍坂山(現在の外鎌山)を意識して建てられているようです。ただ残念ながら道の片隅の空きスペースに押し込まれたような場所にあり、この歌に相応しい場所とはとても思えません。ただ建てればいいというものではなく、もっと風土という事を大事に考えていただきたいと、この歌碑を見るごとに思ってしまうのが残念です。