忍阪古墳群


【画面クリックで拡大します】
【画面クリックで拡大します】

外鎌山(忍坂山)北麓には古墳時代後期を中心とした群集墳が約100基ありました。殆どが木棺直葬ですが一部横穴式石室も存在し特に遺存状態のいいものや貴重なものがこの場所に4基、移築されています。(他にも竜谷古墳群等で数基保存されています)8号墳は我が国で初めて見つかった6角石室を持つ古墳で通称「榛原石」といわれる室生溶結凝灰岩の扁平に割れる節理を利用してレンガ状に加工し石室用の石材として使用されています。考古学上は磚槨式(せんかくしき)石室と呼ばれ7世紀前半~中頃、桜井や榛原地域を中心に20基前後しかない大変貴重な古墳です。

 

8号墳は尾根の南斜面に造られた径12mの円墳で正六角形の平面プランの石室を持つ古墳です。築造年代は7世紀中頃~後半と考えられています。出土品としてはガラス小玉約100点、銅製釘4点、須恵器杯蓋、土師器の他、被葬者のものと思われる歯が見つかっています。

9号墳は移築前の原位置は8号墳の西12mの所にありこの古墳も磚槨式ですが、幅が長さを上回る数少ない「T字型」の平面プランを持つ石室です。出土品は土師器片が1点だけ出土しています。築造時期は8号墳と同様です。

 

どちらも半壊はしていますが考古学的資料としては一級のものです。

 

忍阪古墳群については「大和の古墳探索」で、詳細にご紹介しております。あわせてご覧ください。