忍阪集落の南端の小高い所に「伝 薬師三尊石仏」で知られる石位寺があります。いずれの宗派にも属さない無住寺で、今は忍阪区の住民が交代で維持管理をさせていただいています。石段を上ると礼拝堂、その奥に収蔵庫、向かって右に庫裏がある小寺で、いわゆる観光寺院ではないので訪れる人は多くはありませんが落ち着いたたたずまいの、三尊石仏を安置するのに相応しい景観かと思います。
入江泰吉の写真で知られる寄棟造りの旧本堂(薬師堂)は老朽化で惜しくも昭和53年に取り壊され立て替えられました。この旧本堂は元禄2年(1689年)12月、領主と関係があった奈良奉行の大岡忠高が、資金を助力して建立されたと言われていますが石位寺には寺伝らしきものがなく寺の歴史については、諸説があり定かではありません。